「絵本を読んであげると、心がおだやかになる、やさしくなる、っていうけど、それって半分じゃないだろうか」（清水眞砂子│翻訳家） みなさんは「残り半分」は何だと思いますか？ たとえば信仰をすると、心が穏やかに優しくなるとして、それはまだ半分のような。影があるのは、光が射している証拠。そんな祈りについてのお話。

「臨書には大きな意味がある。それは “書く” ほうが、より “見られる” ということ」 お手本を真似て文字を書く、臨書。それが「見るために書く」って、不思議ですよね。世の中には私たちが思う以上に、「ぱっと見」では分からないことが、たくさんあるのかもしれません。いくつになっても未知の世界の存在は、人の心を弾ませます。

たとえ無観客であってもスポーツ大会の開催は可能です。聖火リレーの沿道に人がいなくても、それによって聖火が消えることはありません。どうも「観客」は不可欠な要素ではないようです。いっぽう、子どもは何かするたびに「みてー」と声をかけます。他愛もない「みてー」、それはピュアでエッセンシャルな人の営みかもしれません。

趣味が合う人とは仲良くなれる反面、かえって些細な違いが決定的になる場合があります。異文化に対しては「理解しよう」という気持ちが働くのに、同属には「なんで分からないの?」となりがちです。そこにはダイバーシティの指標で測れない、脆く儚い「個」の存在があります。

「もう息子いらないね」僕は母に向かってそう言いました。なぜなら、僕よりずっと素直で優秀な存在が現れたから。ところがその彼がある日突然、反抗的な態度に出た──。人は合理性だけでは生きていけない。合理と非合理の二つの重心が私たちの “生きる” を支えている。そんなお話。

期待と失望はコインの裏表だけど、コインそのものの価値には裏も表もないですよね。それはある文化圏だけで通用する通貨（価値観）かもしれません。ゲームを楽しむことと、ゲームの外の世界を知る大切さ。競馬から学んだ話です。

人は「変わりたい」と願う一方で、「そのままでいいんだよ」と受け入れてほしい生き物です。ここに葛藤があるわけですが、希望もあります。シンプルな処方箋をあなたに。

光と闇と聞けば、光が善、闇は悪というイメージが強いですよね。でも、自然界を眺めてみるとそうとも限りません。暗闇の持つ優しさについて。