僕は、暗闇を大切にしたい。

「一番大事にしているのは暗闇」

日本を代表する照明デザイナー・東海林弘靖(しょうじ ひろやす)さんの言葉です。

灯りをデザインする人が一番大事にしているのが暗闇。

なんだか不思議ですよね。

実は、自然界の生き物にとって光はストレスだそうです。

言われてみれば私たち人間も、強い日射しを避け、木陰に憩います。

暗闇には包み込む優しさがあるようです。

だからこそ、美しい暗闇=美暗を創り出したい。

それが照明デザイナー・東海林弘靖さんの想いだそうです。

人が生きるには“昼と夜のバランス”が大切

日本的と言われるハッキリしない曖昧な表現(会話)。

現代人の多くは曖昧さを嫌いますが、そこには暗闇が持つ優しさがあるのかもしれません。

反対に強い光(言葉)は全てを白日の下にさらします。

そこに人の居場所はありません。

利益を追求する企業では、常に 良い/悪い 等の“判断”が求められます。

しかし、家庭や人間関係にまでそうした判断を持ち込むと、それは“強い日射し”になってしまいます。

「これが正しい」という価値観に照らされると、人は眩しさに居場所を失ってしまいます。

隣にいてほしいのは裁判官ではありません。

木陰のような包み込む優しさ。

それは建物でいえば「奥行き」であり、人であれば「深さ」のイメージに通じます。

「隅々まで明るく照らされた現代だからこそ、人は優しい暗がりに憩うのかもしれない」

東海林さんの言葉から、そんなことを思いました。

暗闇に灯るキャンドル

文:可児義孝 絵:たづこ

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